渋谷のスクランブル交差点に連日1000人のエキストラ 「サイレント・トーキョー」製作発表

 クリスマスイブの東京で爆破テロが起こったら-。そんな設定のサスペンス大作映画「サイレント・トーキョー」(波多野貴文監督)の撮影が終了し、クリスマスイブの12月24日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで製作発表会見が開かれた。主役の「謎の男」を演じる佐藤浩市をはじめ、主だった出演者も顔をそろえたが、佐藤は「謎の男なので、あまりしゃべれません」と挨拶。詰めかけた大勢の報道陣の笑いを誘っていた。

 この作品は、秦建日子がジョン・レノンの名曲「Happy Xmas(War Is Over)」に触発されて書いた小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を原作に、「SP THE MOTION PICTURE」の波多野監督がメガホンを取った。クリスマスイブでにぎわう恵比寿や渋谷の街に次々と爆弾が仕掛けられるという事件を主軸に、さまざまな人々の思惑が交錯する群像劇で、佐藤のほか、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼らが出演する。中でもクライマックスの渋谷スクランブル交差点の場面は、栃木県足利市の2万2000平方メートル弱の広大な敷地に実寸大のオープンセットを建て、連日1000人以上のエキストラを動員して迫力満点の撮影が行われた。

 この日の記者会見に出席した刑事役の西島が「本当にたくさんのエキストラのみなさんと、ワンカット終わるたびに拍手が沸くような大規模なロケを何日もやりました。こんなに壮大なロケは初めてで、どんな映像になるのか今から楽しみにしています」と語れば、同じく刑事役の勝地も「シリアスなシーンなので楽しいと言っちゃいけないが、撮影しているのが楽しくて、エキストラの方たちも本当に一生懸命にやってくださった。映像にも迫力が残るんだろうなあと思って見ていました」と手ごたえを感じた様子だった。

 このシーンでは、安定した移動撮影が可能なステディカムを多用して、まるでその場にいるような感覚を観客に持ってもらえるように工夫したと打ち明ける波多野監督は「最高のキャストのみなさんが集まっていただけてすごく幸せでした。言葉ではなく表情で微妙な心情を表現していただいたので、その感情の機微にも注目してもらえたらうれしいですね」とアピールしていた。

 今後は編集作業を経て、来年2020年の12月に全国公開される予定。

「サイレント・トーキョー」の製作発表会見で挨拶する主演の佐藤浩市(中央)ら=2019年12月24日、東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテル(藤井克郎撮影)

「サイレント・トーキョー」の製作発表会見に臨んだ波多野貴文監督(後列右端)に佐藤浩市(前列中央)ら出演者たち=2019年12月24日、東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテル(藤井克郎撮影)

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