スクリーンとともに 映画館やシネマカフェなど、大勢で映画が楽しめる場所を全国に訪ね、地域の人々や映画ファンとのふれあいの現場をリポートします。 シネマティックな人々 監督、俳優、撮影監督、その他スタッフなど映画とともに生きる人々のインタビューを掲載します。
2023年7月13日 / 最終更新日 : 2023年7月13日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第212夜「星くずの片隅で」ラム・サム監督 映画の中でも、もうすっかり新型コロナウイルス感染拡大後の世界が当たり前の風景になってきたが、強調されがちなのがコロナ禍で顕著になった現代社会の生きづらさだ。人間関係はぎすぎすし、ちょっとしたことでいらいらを爆発させると […]
2023年7月6日 / 最終更新日 : 2023年7月6日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第211夜「遠いところ」工藤将亮監督 映画の作り手にはよく、痛みを伴ってもこれを撮らざるを得なかったと語る人がいる。でも見る側にも痛みを求めるというか、映画を見るのも修行なのかもしれないと思える作品があることを知った。それほどこの「遠いところ」は見るのがつ […]
2023年6月29日 / 最終更新日 : 2023年6月29日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第210夜「山女」福永壮志監督 「遠野物語」は、岩手県の遠野郷の人々が見聞きしたり地域で言い伝えられたりしている話を民俗学者の柳田國男がまとめた書で、1910年(明治43年)に刊行された。日本の民俗学の原点とも言われ、よく知られるのはカッパやザシキワラ […]
2023年6月22日 / 最終更新日 : 2023年6月22日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第209夜「遺灰は語る」パオロ・タヴィアーニ監督 イタリアの名匠、タヴィアーニ兄弟と聞いて思い出すのは、かつて六本木にあったミニシアターのシネ・ヴィヴァン・六本木だ。1985年だから就職1年目のときのことになるが、学生時代のイタリア通の友人が見ておくべき映画だと勧めて […]
2023年6月16日 / 最終更新日 : 2023年6月16日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第208夜「世界が引き裂かれる時」マリナ・エル・ゴルバチ監督 映画というものはときどき、作られたときと公開されるときのタイムラグで、とんでもなく大きな意味を持ってしまうことがある。ウクライナ出身のマリナ・エル・ゴルバチ監督が手がけた「世界が引き裂かれる時」は、2014年にウクライ […]
2023年6月8日 / 最終更新日 : 2023年6月16日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第207夜「プチ・ニコラ パリがくれた幸せ」アマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル監督 いつのころからだろう、国内の映画興行ランキングはすっかりアニメーション作品が上位を占めるようになってしまった。別にアニメーションが悪いってことではなくて、昨年12月の公開来、いまだにトップ10にとどまっている「THE […]
2023年6月1日 / 最終更新日 : 2023年6月1日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第206夜「怪物」是枝裕和監督 生涯で一度きりのカンヌ国際映画祭に参加したのは2016年のことだから、もう7年も前になる。会社の特別休暇を取って、航空運賃も宿泊代も自費で駆けつけた念願のカンヌだったけど、7年もたつとそろそろ記憶があやふやになってきて […]
2023年5月25日 / 最終更新日 : 2023年5月25日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第205夜「波紋」荻上直子監督 荻上直子監督と言えば、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)のスカラシップ制度で作った劇場第1作の「バーバー吉野」(2003年)をはじめ、フィンランドで撮影した「かもめ食堂」(2005年)、南の島が舞台の「めがね」(20 […]
2023年5月19日 / 最終更新日 : 2023年5月19日 vicFuji_ws_h31 シネマティックな人々 高齢男性同性愛者の実像を可視化 「老ナルキソス」東海林毅監督 「ナルキソス」とは、ギリシャ神話に登場する美少年のことだ。自分しか愛せないナルキソスは自己愛を意味するナルシシズムの語源にもなっているが、映画「老ナルキソス」の主人公はナルシストの男性同性愛者で、孤独のまま高齢を迎えた。 […]
2023年5月11日 / 最終更新日 : 2023年5月11日 vicFuji_ws_h31 ミッドナイトレビュー 第204夜「TAR/ター」トッド・フィールド監督 学生時代、大学のオーケストラに所属していた。パートは金管楽器のホルンで、勉強そっちのけで部室に入り浸っていたものの、どちらかというと音楽よりも毎晩の飲み会の方に熱心だった。卒業後はほとんど楽器に触っていないが、愛器のア […]